• 香月裕子

金継ぎと馬蝗絆

最終更新: 5月10日

ここ最近、金継ぎにはまっています。 金継ぎとは、割れた器を修復する日本独自の伝統技法。

今と全く同じ方法ではないようですが、縄文時代の器にも金継ぎと似た修復方法が残っているようです。


昔は今ほど物が多くなかったため、物を大切に使い、割れたものを修復してもう一度使うことが当たり前でした。割れた部分に漆を塗って、その箇所に金粉をまいて、新しいものとして甦らせます。

これは、布を丈夫にする東北の刺し子にも通ずる点があるなと感じますし、着物も何度も糸を解いては、新しい着物に仕立て直し、最後は雑巾にして大切に使うことにも! 着物も長方形の反物だったので、無駄がない点にも納得。

日本ならではの文化だなと感じます。

そして金継ぎをする度に思い出すのが、『馬蝗絆_ばこうはん』と呼ばれる左の美しい青磁色の器。私も10年ほど前に上野の博物館で現物を拝見しました。 南宋時代に中国から平重盛に贈られ、その後、足利義政に愛蔵されていたと言われています。ひびが入ってしまい、どうにかできないかと中国に送られました。 <こちらの写真は東京国立博物館のサイトより>

これほどのものはもう作れないということで、大きな鎹(かすがい)で止められて、足利義政の元に戻ってきました。


鎹で止められた器。

足利義政はどのように捉えたのだろう。


大好きな青磁色に釘。私だったらショックだったかもしれない。 自分で金継ぎして修復したほうが良かった。。と残念がったかもしれない。

10年前はそのように感じていた。


でも最近になって、中国の贈り主や職人の意図で新たに蘇った器に喜びを感じ、唯一無二の物として、嬉しく愛でるかもしれないと感じた。

時間が経つと捉え方が変わる点も生きている上で楽しいことだなと感じる。

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